column

うつ病の障害年金はいつから・いつまで?4つの期間を時系列でわかりやすく解説しました。

うつ病で療養中、「障害年金を申請してみようか」と思いながらも、なかなか動き出せずにいる方へ。

「いつから申請できるんだろう」「申請してからどのくらいかかるの?」「ずっと受け取れるものなのか」「申請が遅れていたら、もう無理なのか」。

そうした疑問を抱えながらネットで調べても、情報がバラバラでかえって不安になることもあるかもしれません。制度が複雑でわかりにくいから混乱してしまいますよね。

そんな方のために、この記事ではうつ病での障害年金に関わる「期間」を以下の4つに整理して、時系列でわかりやすく解説します。

  1. 申請できるようになるまでの期間(初診日から1年6ヶ月)
  2. 申請してから振り込まれるまでの期間(目安3〜6ヶ月)
  3. 受け取り続けられる期間(有期認定・更新の仕組み)
  4. さかのぼって受け取れる期間(遡及請求・最大5年)
この記事でわかること
  • うつ病で障害年金の認定を受けられる等級(1〜3級)の目安
  • 障害認定日は初診日から1年6ヶ月後(申請のスタートライン)
  • 申請から振り込みまでの期間(目安3〜6ヶ月)の内訳
  • 有期認定の更新周期と、統計上98.7%が継続受給している実態
  • 遡及請求で最大5年分をさかのぼって受け取れる条件
この記事を書いた人
アバター画像
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                              
岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

うつ病でも障害年金を受け取れる?等級の認定基準と目安

うつ病も、障害年金の対象です。

受け取れるかどうかは、「等級(1〜3級)に該当するかどうか」で決まります。

等級 対象 日常生活への支障の目安
1級 障害基礎年金・障害厚生年金 食事や入浴など、日常生活全般に介助が必要な状態
2級 障害基礎年金・障害厚生年金 著しい制限があり、一人での生活が難しい状態
3級 障害厚生年金のみ 日常生活はある程度できるが、労働に著しい制限がある状態

等級は、自分で決めるものではありません。

主治医が書く診断書をもとに、日本年金機構が審査・決定します。

「自分はどれに当たるのか」を考え込む必要はなく、あなたがすることはひとつ。

主治医に日常生活での支障を具体的に伝えておくことです。この診断書の記載内容が等級の判定に大きく影響するからです。

このほかに、一定期間の保険料を納めていることも必要です。会社員であれば給与から自動的に引かれているため、ほとんどの方は問題ありません。「払えていたか不安」という方は、年金事務所で確認できます。

障害年金は、就労中でも受け取れる場合があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

あわせて読みたい
うつ病の障害年金、働きながら受給できる?審査で見られる就労の中身と等級の目安

「働けているから、私は支援の対象じゃない」と思っていませんか? うつ病と診断され、出口の見えない辛さを抱えながらも、「休職するほどではない」「仕事に行けているうちは我慢すべきだ」と自分を律している方は少なくありません。 しかし、「働いている=支援が受けられない」というのは大きな誤解です。 実は

あわせて読みたい
うつ病でも障害年金は受け取れます|受給条件と申請方法を専門家が優しく解説

うつ病で働けなくて、生活や将来のことを考えると、胸が苦しくなる…。 朝、起き上がることさえつらい日もあって、このままでは生活費も底をついてしまう…。 障害年金という制度があるのは知っているけれど、「うつ病の自分なんかが対象になるんだろうか」「身体の障害じゃないのにもらえるの?」と、不安に思われて

①いつから申請できる?初診日から1年6ヶ月後が起点

申請のスタートラインとなるのが「障害認定日(しょうがいにんていび)」です。

初診日から1年6ヶ月後の日が「障害認定日」です。

日付で確認してみましょう。

令和6年1月1日が初診日であれば、令和7年7月1日が障害認定日です。

ご自身の初診日に1年6ヶ月を足して、「〇年〇月から申請できる」と確認してみてください。

1年6ヶ月という期間は、症状が一時的なものでないかを確認するためのものです。

まだ1年6ヶ月経っていない方も、初診日を確認したり、相談窓口に問い合わせたりという準備は今から始められます。「まだ早い」と思わず、早めに動き出しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

初診日の証明が難しい場合(受診した病院が廃院になっているなど)については、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
うつ病の障害年金が「難しい」と感じたら|一人で抱え込まないで

うつ病で障害年金を調べてみたけど、書類が多すぎて気が遠くなる。 診察室でうまく症状を伝えられない。 初診日がいつだったか、もう思い出せない……。 「難しい」と感じて、立ち止まっていませんか。 その気持ちは、決しておかしなことではありません。 実際、多くの方が同じところでつまずいています。

 

②申請してから振り込まれるまで何ヶ月かかる?

おおよそ3〜6ヶ月程度が目安です。

「申請してみたいけれど、いつになるかわからない」という不安を持つ方に向けて、流れをわかりやすく整理します。

書類提出から振り込みまで合計3〜6ヶ月が目安

書類を提出してから、日本年金機構が審査を行い、「年金証書・年金決定通知書」が届くまでの目安は3ヶ月程度です。

書類の状態によっては、追加の確認が入ってこれより長くなることもあります。

年金証書が届いた後、さらに1〜2ヶ月ほどで振り込みが始まります。

合計すると3〜6ヶ月程度を見込んでおくとよいでしょう。

「3〜6ヶ月は長いな……」と感じる方も多いと思います。体調が不安定な中、先の見えない待機期間があるのは、やはりつらいものです。

ただ、申請を出したこと自体にリスクはありません。

結果が出るまでの間は、主治医との定期的なやり取りや、体調・日常生活の記録を続けておくとよいでしょう。それが後々、状態を正確に伝えるための大切な材料になります。

申請の具体的な手順については、以下の記事で詳しく解説しています。

振り込みのタイミングも、あわせて確認しておきましょう。

あわせて読みたい
うつ病の障害年金、自分で申請できる?一人で抱え込まず受給するための選択肢

うつ病で障害年金を自分で申請したいけれど、「本当に自分にできるのか」と不安を感じている方も多いでしょう。 「専門家に頼むと数十万円かかると聞いて、できれば費用を節約したい。でも、書類を揃えられるか、何度も窓口に行けるか……失敗したらどうしよう」 その不安は、もっともです。 うつ病でも障害年金は

あわせて読みたい
うつ病で働けない時、収入はどうなる?あなたをサポートする支援制度

朝、起き上がれない。通勤電車に乗ろうとすると、動悸がして足がすくむ。 そのまま会社に行けなくなり、働けなくなってしまった。 「このまま収入がなくなったら、どうしよう……」 休むべきか、まだ頑張るべきか。収入はどうなるのか。誰に相談すればいいのか。考えなければいけないことが多すぎて、何も動けなく

年金の振込日は偶数月の15日にまとめて2ヶ月分

年金は偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日に、2ヶ月分がまとめて振り込まれます。

15日が土日祝の場合は、直前の平日になります。

初回支払いなど、特別な場合は、奇数月に前々月までの分の支払いを行う場合もあります。

「支給が決まった月」と「最初の振込月」がずれることがあるため、覚えておくと安心です。

ご家族やパートナーに話せる方は、この間の見通しをざっくり共有しておくと、気持ちが少し楽になります。

③障害年金はいつまで受け取れる?有期認定の更新と継続の仕組み

受給が始まった後、「いつまで受け取れるのか」という点が気になる方も多いと思います。

障害の状態が続く限り、更新を経て受け取り続けることができます。

有期認定であっても、急に止まるわけではありません。

有期認定は1〜5年ごとの再認定、統計上は98.7%が継続受給

障害年金の認定には「有期認定」と「無期認定」の2種類がありますが、うつ病の場合は有期認定になることがほとんどです。

有期認定は、1〜5年ごとに症状を確認(再認定)する仕組みです。

「有期認定だから、いつか止まってしまうのでは」と心配されている方もいらっしゃるかもしれません。ただ、状態が続く限り継続して受け取れます。

令和6年度の日本年金機構統計では、精神障害・知的障害で再認定を受けた方のうち、障害基礎年金で98.7%、障害厚生年金で96.8%の方が継続受給しています。

更新があっても、大多数の方は引き続き受け取れています。

更新は誕生月の3ヶ月前に通知が届き、診断書を提出する

更新が必要な年には、誕生月の3ヶ月前の月末に「障害状態確認届(診断書)」が届きます。

提出の期限は誕生月末日。

手続きの流れは次のとおりです。

  1. 誕生月の3ヶ月前の月末に通知が届く
  2. 主治医に診断書を書いてもらう
  3. 誕生月末日までに提出する
  4. 再認定の結果が通知される

通知が届いたら、まず主治医に連絡を入れましょう。診断書の作成には時間がかかることがあるため、早めに動くほど余裕が生まれます。

ただ、一点。提出が大幅に遅れたり書類に不備があると、一時的に支払いが止まることがあります。症状が改善して支給が止まることもゼロではありません。ですが、どちらも早めに動くことで大半は防げます。

うつ病と障害年金に関するデメリット・注意点については、以下の記事でまとめています。

あわせて読みたい
うつ病の障害年金にデメリットはある?就職・結婚への影響や注意点を社労士が解説

「障害年金を申請したら、会社にバレるのでは」「就職や結婚で不利になるのでは」。 申請を考えながら、こうした不安が頭を離れないという方は少なくありません。うつ病で心も体もつらい中、将来のことまで一人で抱え込むのは本当に大変なことですよね。 実はうつ病で障害年金を受給する際、こういった自分の暮らしの

④申請が遅れていても大丈夫?最大5年さかのぼれる遡及請求の仕組み

もう一点、まだ申請をしていない方・申請が遅れてしまった方にお伝えしたいことがあります。

うつ病で動けなかった、あるいは制度を知らなかった。

そうした事情で申請が遅れてしまったとしても、諦める必要はありません。

「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」という制度があるからです。

遡及請求とは、障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)から申請が遅れた場合に、認定日の時点にさかのぼって受け取れる制度のことです。

最大で、申請日から5年前まで遡ることができます(国民年金法第102条第1項)。

5年を超えた分は時効により受け取れませんが、「今から動いても間に合う」可能性は十分にあります。

どれくらい取り戻せるのか、目安として見ておきましょう。

たとえば、障害基礎年金2級(国民年金のみ加入・子なし)で5年さかのぼれた場合、受け取れる合計の目安は約400万円です(令和3〜7年度の各年度額の合算。令和8年3月時点)。

会社員や18歳未満のお子さんがいる方は、障害厚生年金や子の加算が上乗せされるため、これより多くなります。

金額は状況によって変わりますが、「まだ取り戻せる分があるかもしれない」と感じてもらえたなら十分です。

ただ、一つだけ条件があります。障害認定日のころにかかっていた病院の診断書が必要です。

当時の状態がわかる診断書が取れるかどうか。そこが遡及請求の分かれ目です。

診断書が取れるかどうかは、一人で判断するよりも、専門家に相談しながら確認するのが確実です。

「5年も前のことだから、もう無理かもしれない……」と感じている方も、まず確認してみてください。状況によっては、思いがけず可能性が残っていることもあります。

まずは「自分の場合はどうなのか」を確認するところから始めましょう。ご本人が動きにくい状況でも、ご家族様からのご相談で構いません。

よくある質問

Q.うつ病以外の精神疾患でも、障害年金を申請できますか?

A.はい、申請できます。

障害年金の対象は、診断名ではなく症状の程度で判断されます。双極性障害(躁うつ病)や統合失調症なども対象です。

「私の病名で申請できるのかな」と迷っている方も、まずは確認してみてください。

あわせて読みたい
【社労士が網羅解説】精神疾患の障害年金|対象の病気一覧と申請の共通ルール

心の不調が原因で、以前のように働けなくなったり、日常生活を送ることが難しくなったりして、将来への強い不安を感じていませんか。 「この先、生活はどうなってしまうのだろう…」 「働きたくても、心と体がついてこない…」 そんなふうに、一人で出口の見えないトンネルの中にいるように感じているかもしれませ

Q.初診日が5年以上前でも申請できますか?

A.はい、申請できます。

初診日が何年前でも、申請すること自体は可能です。

ただし、過去の分をさかのぼって受け取れる期間は、申請日から5年前までが上限です。

たとえば初診日が10年前であれば、最大5年分をさかのぼりながら、今後の受給も同時に申請できます。

「もう遅いかもしれない」と感じていた方も、どうか諦めないでください。

Q.障害年金の申請は、自分一人でできますか?

A.申請自体は、ご自身でも行えます。

ただ、診断書の確認や書類の不備チェックなど、一人では判断が難しい場面も出てきます。体調が不安定な中で手続きを進めるのは、想像以上に負担がかかります。

私たちのような社会保険労務士に相談すると、書類の準備から申請まで一緒に進めることができます。

「何から話せばいいかわからない」という段階でも、まったく問題ありません。お気軽にご相談ください。

あわせて読みたい
うつ病の障害年金、自分で申請できる?一人で抱え込まず受給するための選択肢

うつ病で障害年金を自分で申請したいけれど、「本当に自分にできるのか」と不安を感じている方も多いでしょう。 「専門家に頼むと数十万円かかると聞いて、できれば費用を節約したい。でも、書類を揃えられるか、何度も窓口に行けるか……失敗したらどうしよう」 その不安は、もっともです。 うつ病でも障害年金は

Q.審査で「不支給」の通知が届いた場合、どうすればよいですか?

A.諦めなくても大丈夫です。

不支給の通知が届いた場合、結果に対して不服を申し立てる方法があります。また、その後に症状の変化があれば、改めて申請することもできます。

通知に書かれている理由を見ても、何が問題だったのかわかりにくいことがほとんどです。一人で結論を出さず、まず私たちのような障害年金申請の専門家に相談してみてください。

まとめ:うつ病の障害年金「4つの期間」と次の一歩

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事のポイント
  • 障害認定日は初診日から1年6ヶ月後、ここが申請のスタートライン
  • 申請書提出から振り込みまで、合計3〜6ヶ月を見込む
  • 有期認定でも、統計上98.7%の方が継続受給できている
  • 申請が遅れていても、遡及請求で最大5年分を取り戻せる

「いつから」「どのくらいかかるのか」「いつまで続くのか」「今からでも間に合うのか」

それぞれの不安が、少しでも解消されていたら嬉しいです。

1年6ヶ月が近づいている方は書類の準備を始める時期、まだ時間がある方は主治医との関係を丁寧に続ける時期です。申請が遅れていた方も、諦める必要はありません。

どうか一人で抱え込まないでください。「自分の状況でも申請できるのかな」「何から話せばいいかわからない」という段階でも、まったく問題ありません。まずはあなたの今の状況を、私たちに聞かせてください。

社会保険労務士法人きんかでは、最初のご相談から受給決定まで、専任スタッフが一貫して対応します。書類の準備や主治医への伝え方など、細かい部分もすべてご案内します。

初回相談は無料です。ご本人でも、ご家族様・パートナーからのご連絡でも構いません。

この記事を書いた人
アバター画像
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                               岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

この記事をシェアする

関連記事

TOPへもどる

まずは気軽にする

障害年金の申請には、悩みや不安がつきもの。
私たち「きんか」が、
受給への道のりを一緒に歩みます。
一人で抱えず、まずは気軽にご相談ください。