投稿日:2025.11.11 最終更新日:2026.02.12
【社労士が網羅解説】精神疾患の障害年金|対象の病気一覧と申請の共通ルール
心の不調が原因で、以前のように働けなくなったり、日常生活を送ることが難しくなったりして、将来への強い不安を感じていませんか。
「この先、生活はどうなってしまうのだろう…」
「働きたくても、心と体がついてこない…」
そんなふうに、一人で出口の見えないトンネルの中にいるように感じているかもしれません。
ですが、どうか一人で抱え込まないでください。
うつ病や統合失調症、発達障害といった精神疾患も、国が定める「障害年金」という公的な経済支援の対象です。これは、あなたが安心して治療に専念し、生活を立て直すために用意された、正当な権利なのです。
この記事は、精神疾患で障害年金を考えているすべての方向けの「総合案内ページ」です。
まずはここで制度の全体像をつかみ、あなたの状況に合った、より詳しい情報へと進んでいきましょう。
- どんな精神疾患が障害年金の対象になるのか
- すべての疾患に共通する「3つの受給条件」
- あなたの症状がどのくらいの等級になるかの判断基準
- ご自身の病名に合わせた、より詳しい情報への進み方
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】
【保有資格】特定社会保険労務士
岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。
目次
どんな病気が対象?まず知っておきたい障害年金の基本

「私のこの病気は、障害年金の対象になるんだろうか…」
障害年金を考え始めたとき、誰もが最初に抱く疑問だと思います。
まずはすべての精神疾患に共通する、基本的な考え方とルールから確認していきましょう。
対象となる精神疾患は「病名」だけでは決まりません。
結論からお伝えすると、障害年金の対象となる精神疾患は非常に幅広く、特定の病名に限定されていません。
例えば、以下のような疾患で障害年金を申請し、受給されている方がたくさんいらっしゃいます。
- 気分(感情)障害:うつ病、双極性障害(躁うつ病)、非定型うつ病など
- 統合失調症圏:統合失調症、統合失調症様障害など
- 知的障害
- 発達障害:自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)など
- てんかん
- 高次脳機能障害
- その他
ここで最も大切なことは、障害年金は「病名」で判断されるのではなく、「その症状によって、日常生活や働くことにどれだけの支障が出ているか」という“状態”で判断されるということです。
ですから、「私の病名は軽いものだから…」と諦める必要はまったくありません。
【全疾患共通】障害年金をもらうための3つの必須条件
どのような精神疾患で申請する場合でも、必ずクリアしなければならない以下の3つの基本的な条件があります。
1.初診日要件
2.保険料納付要件
3.障害状態要件
それぞれご自身の状況と照らし合わせながら、一つずつチェックしてみてください。
1.初診日要件
その症状で「初めて医師の診察を受けた日(初診日)」に、国民年金または厚生年金に加入していましたか?
*20歳より前に初診日がある場合や、年金に加入していなかった期間がある場合など、条件は少し複雑になります。
2.保険料納付要件
初診日を迎えるまでの期間に、年金保険料を一定期間以上、きちんと納めていましたか?
*免除や猶予の期間も考慮されます。「未納が多いかも」と不安な方でも、諦めずに確認することが大切です。
3.障害状態要件
初診日から1年6ヶ月が経過した日(またはそれ以前の特定の治った日)の時点で、障害年金で定められた障害の等級に当てはまる状態でしたか?
この3つの条件をすべて満たしていれば、あなたは障害年金を受給できる可能性があります。
この中でも特に重要で、みなさんが一番気になる「3.障害状態要件」、つまり「自分の症状がどのくらいの等級に当てはまるのか?」について、詳しく見ていきましょう。
精神疾患の等級はどう決まる?審査における2つの重要なものさし

「私の今の症状は、障害年金でいうとどのくらいの等級になるんだろう?」
これは、申請を考える上で最も気になる点ですよね。
精神疾患の等級は、担当する審査官の個人的な感覚や、医師の診断書の病名の重さだけで決まるわけではありません。
実は、国が定めた「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」という客観的な基準に沿って、全国で公平な審査が行われる仕組みになっています。
参考:厚生労働省「精神の障害に関わる等級判定ガイドライン」
そして、このガイドラインでは、主に「2つのものさし」を使ってあなたの状態が判断されます。
この「ものさし」が何なのかを知ることで、ご自身の状況がどのように評価されるのかイメージしやすくなりますよ。
ものさし①:日常生活能力の「判定」(7項目)
一つ目のものさしは、日常生活における具体的な7つの場面で、「どの程度、適切に行うことができるか」を評価するものです。
お医者さんが診断書を作成する際にも、この7項目についてあなたに質問しながら記載していきます。
【日常生活の7項目】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1.適切な食事 | 栄養バランスを考えたり、自分で調理や片付けをしたりできるか |
| 2.身辺の清潔保持 | お風呂に入ったり、着替えをしたり、部屋を掃除したりできるか |
| 3.金銭管理と買い物 | 計画的にお金を使い、一人で買い物ができるか |
| 4.通院と服薬 | 一人で病院に行き、処方された薬を指示通りに飲めるか |
| 5.他人との意思伝達・対人関係 | 他の人と会話をしたり、協調性をもって付き合ったりできるか |
| 6.身辺の安全保持・危機対応 | 危険を察知して適切に対応したり、困った時に助けを求めたりできるか |
| 7.社会性 | 社会的な手続きを行ったり、公共施設を問題なく利用したりできるか |
これらの項目を、「できる」「おおむねできるが助言や指導が必要」「できない」といった4段階で評価していきます。
ものさし②:日常生活能力の「程度」(5段階)
二つ目のものさしは、先ほどの7項目を総合的に見た上で、「日常生活全体として、どのくらい支障が出ているか」を5段階で評価するものです。
- (1) 精神疾患はないか、あっても日常生活は普通に送れる。
- (2) 精神疾患はあるが、日常生活は一人で何とか送れる。
- (3) 精神疾患があり、日常生活に制限を受けている。時々、助けが必要。 ← 障害年金3級の目安
- (4) 精神疾患があり、日常生活に著しい制限を受けている。かなりの助けが必要。 ← 障害年金2級の目安
- (5) 精神疾患があり、身の回りのことはほとんどできない。常に誰かの助けが必要。 ← 障害年金1級の目安
実際の審査では、この「ものさし①(7項目の判定)」と「ものさし②(全体の程度)」の結果を組み合わせて、総合的にあなたの障害等級が判断されます。
つまり、診断書やご自身で作成する書類の中で、これらの項目に沿って「自分の日常生活が、病気によってどれだけ大変な状況か」を具体的に伝えていくことが、非常に重要になるのです。
申請で悩んだら、まず専門家へ。私たちができること

ここまで障害年金の制度について解説してきましたが、「やっぱり自分一人で進めるのは難しそうだ…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはずです。特に精神疾患の障害年金申請は、他の病気やケガに比べて特有の難しさがあると言われています。
なぜ精神疾患の申請は「難しい」と言われるのか
精神疾患の申請が難しいと言われるのには、主に2つの理由があります。
1.目に見えない「つらさ」を書類だけで証明する必要があるから
骨折や人工関節といった身体の障害とは異なり、精神疾患のつらさや困難さは、外見からは分かりません。
あなたの日常生活におけるリアルな困難さを、審査官は診断書や申立書といった“紙の上”だけで判断します。この「症状を的確に言語化して伝える」という作業が、実は非常に専門的で難しいポイントなのです。
2.体調が優れない中、複雑な手続きを進める負担が大きいから
ただでさえ心身の調子が優れない中で、年金事務所に何度も問い合わせをしたり、過去のつらかった出来事を思い出しながら書類を作成したりするのは、想像以上に大きな精神的負担がかかります。その結果、申請を途中で諦めてしまう方も少なくありません。
一人で抱え込まず、まずは無料相談をご利用ください
障害年金は、あなたが安心して治療に専念し、ご自身の生活を取り戻すために国が用意した、正当な権利です。
その権利を、手続きの複雑さや精神的な負担によって諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。
私たち社会保険労務士は、障害年金申請の国家資格を持つ専門家です。
複雑な手続きはすべて私たちにお任せいただき、あなたはどうか、ご自身の治療と療養に専念してください。
- あなたが受給できる可能性があるか、無料で診断します。
- あなたの「つらさ」が正しく伝わる書類作成を、全力でサポートします。
- 面倒な書類の準備や年金事務所とのやり取りは、すべて代行します。
「私の状況でも対象になるのかな?」「何から手をつけていいか分からない」
そんな漠然とした不安の段階でも、まったく問題ありません。
まずはあなたの今のお気持ちやお悩みを、私たちに聞かせることから始めてみませんか。ご相談は無料です。
この記事を書いた人
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】
【保有資格】特定社会保険労務士 岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。
