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うつ病で働けない時、収入はどうなる?あなたをサポートする支援制度

朝、起き上がれない。通勤電車に乗ろうとすると、動悸がして足がすくむ。

そのまま会社に行けなくなり、働けなくなってしまった。

「このまま収入がなくなったら、どうしよう……」

休むべきか、まだ頑張るべきか。収入はどうなるのか。誰に相談すればいいのか。考えなければいけないことが多すぎて、何も動けなくなっていませんか。

そういう状態のまま一人で抱えている方のために、今日やるべきことを順番に整理しました。

この記事でわかること
  • 休むか迷っているときの考え方と、話を聞いてもらえる相談先
  • 休職を決めたときに使える経済支援の全体像
  • 傷病手当金の仕組みと、休職手続きの3ステップ
  • 症状が長引くときに確認したい制度(障害年金・自立支援医療・労災・生活保護)
この記事を書いた人
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西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                              
岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

【制度について知る前に】働けないと感じたら、まず「休む」を選択肢に入れてほしい

経済支援制度の話をする前に、一つだけ確認させてください。

「自分がうつかどうかわからない」「もう少し頑張れるかもしれない」「会社に迷惑をかけたくない」——そう思いながら、限界まで出勤を続けていませんか。

気力と体力を絞り出して何とか出社しているけれど、仕事の質は下がっている。でも「まだ動けている自分」を根拠に、休む決断ができない。そういう状態が続いているなら、すでに限界に近いサインかもしれません。

「うつかどうかわからない」でも、休んでいい

休職に診断書は必要ですが、「うつ病の確定診断」は休む条件ではありません。「眠れない」「食欲がない」「朝起き上がれない」「涙が止まらない」——こういった状態が続いていれば、それ自体が受診のサインです。「うつかどうかわからないから、まだ病院に行けない」という判断が、症状をさらに悪化させることがあります。

早く休むほど、回復も早い

うつ病は、意志の力でどうにかなる状態ではありません。頑張り続けることで悪化しやすく、回復に時間がかかるほど職場への影響も長引きます。「もう少し」を繰り返した後に完全に動けなくなるより、今のうちに休むことは、症状をこれ以上悪化させないためにも大切です。

限界まで頑張ってから休む人は少なくありません。いま休もうか迷えていること自体が、大事なサインです。「まだそこまでじゃない」と感じているうちの方が、体力も判断力も残っているぶん、手続きも動きやすいです。

【休むか迷っているなら】まず話を聞いてもらえる場所を使う

「休もうかどうか迷っている」「自分がうつかどうかもわからない」という段階でも、相談できる場所があります。

産業医・職場の保健師(在職中の方)

会社に産業医や保健師がいる場合、まずここが一番動きやすい窓口です。「最近しんどい」という話だけでも聞いてもらえます。上司や人事への報告義務はなく、相談内容は基本的に守秘されます。

「受診すべきかどうか」「会社にどう伝えるか」「休職の手続きはどうすればいいか」まで相談に乗ってもらえることが多く、その後の動きがスムーズになります。産業医の連絡先がわからない場合は、会社の総務・人事部門に確認してみてください。

精神保健福祉センター(無料)

各都道府県に設置されている、公的な相談機関です。精神科への受診を迷っている方、「自分がうつかもしれない」と感じている方など、幅広い状況に無料で対応しています。

電話相談のほか、来所相談も可能です。初めて相談する場合でも、丁寧に話を聞いてもらえます。「都道府県名+精神保健福祉センター」で検索すると、最寄りの窓口が見つかります。

よりそいホットライン(0120-279-338・24時間)

24時間・無料で話を聞いてもらえる電話相談窓口です。「今すぐ誰かと話したい」「深夜で他の窓口が閉まっている」というときに使えます。

精神的につらい状況、生活の悩み、漠然とした不安など、どんな内容でも受け付けています。うまく言葉にできなくても構いません。「しんどい」とだけ伝えても、話を聞いてもらえます。

誰かに話して、少し気持ちが整理できたら。次は、休んでいる間の経済的な支援について確認しましょう。

休職を決めたら、使える経済支援を確認しておく

休む決断ができたら、次は収入のことを確認しましょう。使える制度は、状況に応じて複数あります。全部を今すぐ理解する必要はありません。自分に関係しそうなものだけ確認してください。

制度 主な対象 内容
傷病手当金 会社員・公務員 給与の約3分の2、最長1年6カ月
自立支援医療制度 うつ病で通院中の方 医療費の自己負担が3割→1割に
障害年金 症状が長引く方 月額約5.3万円〜、期限なし
労災保険 仕事が原因の方 給与の約8割
失業手当 退職後に求職する方 最大4年の受給期間延長
生活保護 生活が困窮する方 月額7〜12万円程度

以下では、休職直後に最初に関係する傷病手当金から順番に説明します。

休職直後から使える「傷病手当金」のしくみ

うつ病で休職する場合、会社員・公務員の方が最初に使える制度です。※公務員の方は、勤務先の共済組合の担当窓口に確認してください。

給与の約3分の2が、最長1年6ヶ月受け取れます。月給30万円なら、1ヶ月あたり約20万円が目安です。

ただし、給与が出ている間は支給されません。有給休暇を使っている期間は支給対象外で、有給が終わって給与の支払いがなくなった時点から受け取れるようになります。

対象は健康保険(協会けんぽや組合健保)に加入している会社員・公務員です。自営業やフリーランスの方(国民健康保険加入)は、この制度は使えません。

受け取るための条件

  • 業務外の病気やけがであること
  • 連続して3日間仕事を休んだこと(この3日間を「待期期間」と呼びます)
  • 4日目以降も仕事に就けない状態であること

待期期間には、有給休暇や土日祝も含まれます。申請書は会社の人事・総務部門でもらえます。会社の証明や医師の記入を受けたうえで提出し、不備がなければ申請受付から10日程度で振り込まれます。最初の申請からお金が届くまでは、1ヶ月程度かかることが多いです。

傷病手当金の詳しい申請方法や、終了後の流れについては、以下の記事で解説しています。

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うつ病で休職し、傷病手当金を受給しながら療養を続けてきた方で、「もうすぐ1年6ヶ月の期限が来る」という現実を意識し始めている方もいるかと思います。 まだ復職できる状態ではないのに、収入がなくなる。治療費も生活費もかかるのに、支えがなくなっていく。そのことを考えると、頭が真っ白になるかもしれません。

休職の手続きは3ステップ(傷病手当金の申請まで)

  1. 会社に連絡する(例文あり)
  2. 病院を受診して診断書をもらう
  3. 傷病手当金を申請する

会社への連絡は、これをそのまま使ってください

○○の部分だけご自身の情報に変えてください。

件名:休職のご相談(氏名)

お疲れさまです。○○部の△△です。
体調不良により受診したところ、医師より当面の休養が必要との指示がありました。
つきましては、休職(または当面の欠勤)についてご相談させてください。
診断書は取得でき次第、提出いたします。引き継ぎについては、可能な範囲で対応しますので、ご指示ください。
直近の連絡はメール(または電話)でお願いいたします。
取り急ぎご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。

詳しい症状を説明する必要はありません。「体調不良」「医師の診断」で十分です。電話が難しい場合は、メールや会社のチャットツールで送っても問題ありません。

診断書は「休職したい」と正直に伝える

「先生に悪いかな」と心配になるかもしれませんが、遠慮する必要はありません。医師はありのままの状態を聞いた上で診断書を書きます。「仕事を休みたい」という希望を、そのまま伝えましょう。診断書は保険適用外で、3,300〜4,400円程度が目安です。

傷病手当金以外の制度を、状況に応じて確認する

傷病手当金を使えない方、または症状が長引いている方は、以下を状況に応じて確認してください。今すぐ全部読む必要はありません。

通院が続いているなら → 自立支援医療制度

うつ病で継続的に通院している場合、医療費の自己負担を3割から1割に減らせる制度です。所得に応じて月の上限額も設定されるため、薬代や診察費が毎月かかっている方には特に助かります。申請は主治医に相談した上で、お住まいの市区町村窓口で行えます。

症状が長引き、初診から1年6カ月前後たっている方へ → 障害年金

期限がなく、受給要件を満たす限り継続して受け取れる制度です。

  • 障害厚生年金3級:月額約5.3万円〜(最低保障額)
  • 障害基礎年金2級:月額約7.1万円

※金額は年度により改定があります。上記は令和8年度時点の目安です。

申請には初診日・保険料納付・障害の状態という3つの条件があります。申請から支給開始まで3〜4ヶ月かかるため、傷病手当金を受給している間から少しずつ準備を始めておくのがおすすめです。

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うつ病で障害年金を自分で申請したいけれど、「本当に自分にできるのか」と不安を感じている方も多いでしょう。 「専門家に頼むと数十万円かかると聞いて、できれば費用を節約したい。でも、書類を揃えられるか、何度も窓口に行けるか……失敗したらどうしよう」 その不安は、もっともです。 うつ病でも障害年金は

仕事が原因かもしれないなら → 労災保険

長時間労働やパワハラなど、仕事のストレスが原因と考えられる場合に使える制度です。認定されれば、傷病手当金に代わって給与の約8割を受け取れます。「自分が対象かわからない」という場合でも、まずはお近くの労働基準監督署に相談してみてください。

生活費が厳しいなら → 生活保護

他の支援だけでは生活が難しい場合に使える、憲法で保障された正当な権利です。「自分が使っていいのか」と遠慮する必要はありません。単身世帯では月額7〜12万円程度が目安(地域・世帯状況により異なります)。お近くの福祉事務所に相談できます。

傷病手当金が終わった後の流れ

傷病手当金は最長1年6ヶ月で終了します。終了が近づいたら、その後の状況に合わせて次のステップを確認してください。

  • まだ働けない状態が続いている → 障害年金の申請を準備する(傷病手当金の受給中から動き始めるのがおすすめ)
  • 退職して就職活動を始めたい → 失業手当の受給期間延長を申請する

失業手当は、病気などで30日以上働けない場合に受給期間を延長できます。通常1年の受給期間に最大3年を加算でき、回復後に改めて使えます。傷病手当金との同時受給はできません。

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うつ病で休職し、傷病手当金を受給しながら療養を続けてきた方で、「もうすぐ1年6ヶ月の期限が来る」という現実を意識し始めている方もいるかと思います。 まだ復職できる状態ではないのに、収入がなくなる。治療費も生活費もかかるのに、支えがなくなっていく。そのことを考えると、頭が真っ白になるかもしれません。

よくある質問

Q.休職中、給与は完全にゼロになりますか?

A.いきなりゼロにはなりません。

有給休暇が残っている場合は、まず有給を使いながら休めます。有給がなくなると無給になりますが、そのタイミングから傷病手当金(給与の約3分の2)を受け取れます。まずは有給の残日数を確認してみてください。

Q.診断書がないと、休職できませんか?

A.多くの場合、診断書の提出が求められます。

「病院に行く気力もない」という場合でも、まずは電話やWEBで受診の予約だけ入れてみてください。自分で難しいときは、家族や身近な人に手伝ってもらっても大丈夫です。診断書は受診後すぐに発行してもらえることが多く、「休職したい」と医師に伝えれば対応してもらえます。

Q.傷病手当金を受け取りながら退職した場合、引き続き受給できますか?

A.条件を満たせば、続けて受給できます。

条件は「退職日までに被保険者期間が1年以上あること」と「退職日に出勤していないこと」の2点です。退職のタイミングによって受給資格に影響が出ることもあるため、退職を考えている場合は事前に会社の担当者や社労士に確認してみてください。

Q.障害年金を受給していることを、会社に知られますか?

A.通知されることはありません。

日本年金機構から会社に受給情報が伝わる仕組みはないため、基本的に会社に知られることはありません。ただし、厚生年金に加入中の場合、手続きの一部で会社の協力が必要になるケースがあります。「知られたくない」という場合は、申請前に社労士に相談してみてください。

まとめ:今日やることは3つだけ

制度の全体像を把握しなくても大丈夫です。今日は、次の3つだけ頭に入れておいてください。

  1. 働けないと感じたら会社に「体調不良で休む」と連絡する
  2. 病院を受診して、医師に状況を話す
  3. 会社に傷病手当金の書類について確認する

全部を今日やる必要はありません。まず1番だけでも十分です。

休職に対して罪悪感を感じる方は多いですが、傷病手当金という制度はまさにこういう状況のために用意されています。書類の手続きは、少し体調が落ち着いてからでも遅くありません。焦らずに、一つずつ進めてください。

症状が長引いた場合の制度(障害年金・労災・生活保護)は、状況が変わったときにこの記事を見直してもらえれば大丈夫です。

症状が長引いて障害年金が気になり始めた方は、こちらの記事も参考にしてください。

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社会保険労務士法人きんかは、障害年金の申請サポートを専門とする事務所です。「自分が受給できるかわからない」という段階からご相談いただけます。初回相談は無料です。

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西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                               岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

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