投稿日:2026.02.04 最終更新日:2026.02.04
大腸がんの障害年金はいくら?年額62万円〜受給できる条件と等級を解説
大腸がんの治療中で、仕事を休んだり辞めたりして収入が減ってしまった。
人工肛門(ストーマ)を造設して、日常生活にも支障が出ている……。
大腸がんになり、そんな状況で経済的な不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、大腸がんでも障害年金を受給できる可能性があります。
この記事では、大腸がんで障害年金を受給できる条件、受給額の目安、申請を通すためのポイントを社会保険労務士が詳しく解説します。
- 大腸がんで障害年金を受給できるケースと受給できないケース
- 人工肛門造設時の等級(3級・2級)と年額の目安
- 造設から6ヶ月で申請できる特例のしくみ
- 抗がん剤治療中の副作用でも対象になる可能性
- 申請を通すための診断書のポイント
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】
【保有資格】特定社会保険労務士
岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。
目次
大腸がんで障害年金を受給できるケースとできないケース

「大腸がんと診断されたら障害年金がもらえる」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そうではありません。
障害年金は「病名」ではなく、「日常生活や仕事への支障の程度」で判断される制度です。
つまり大腸がんと診断されても、手術後に回復して日常生活に支障がなければ対象外となります。
大腸がんで障害年金の対象になるのは、次のようなケースです。
- 人工肛門(ストーマ)を造設している
- 抗がん剤治療の副作用で家事や仕事ができない
- 腸閉塞や合併症で日常生活が著しく制限されている
- 放射線治療の後遺症で日常生活に支障がある
「がんだから必ずもらえる」わけではなく、「がんによる日常生活への支障」が評価されるという点がポイントです。
がんで障害年金を受給できる?対象条件と認定基準を解説
がん治療で仕事を休んだり辞めたりして、収入が減ってしまった。 治療費や生活費の心配で、治療に専念できない……。 そんな不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 実は、がんでも障害年金を受け取れる可能性があります。 抗がん剤の副作用で日常生活に支障が出ている方、がんによる臓器機能
人工肛門造設で受給できる等級と金額

大腸がんによる障害で障害年金を受給できる場合を見ていきます。
もっとも多いのは人工肛門(ストーマ)を造設しているケースで、明確な認定基準があります。
ただし、人工肛門がなくても対象になる場合があります。
人工肛門(ストーマ)を造設していれば原則3級
人工肛門を造設すると、原則として障害厚生年金3級に該当します。
年額約62万円〜の経済的支援を受けられます。
さらに、人工肛門に加えて尿路変更術(尿路ストーマなど)を行った場合は2級に該当し、年額約83万円〜(厚生年金加入者は100万円以上)になります。
人工肛門だけでも、日常生活が著しく制限されていれば2級と認定される可能性があります。
ストーマを造設した方は、日々の管理に多くの手間がかかります。
1日に複数回の処置が必要で、皮膚トラブルのリスクもあり、外出にも制限が生じます。
こうした日常生活への支障が「労働に著しい制限を受ける状態」として評価され、障害年金の対象となります。
なお、人工肛門造設の場合は「造設から6ヶ月」で申請できる特例があります。
通常は初診日から1年6ヶ月待つ必要がありますが、この特例を使えば約1年早く受給を開始できます。治療中の経済的負担を軽減できるので、ぜひ活用してください。活用方法は後述します。
人工肛門がなくても対象になる可能性がある
人工肛門を造設していなくても、抗がん剤治療の副作用や腸閉塞などで日常生活に著しい支障がある場合は対象になる可能性があります。
「人工肛門がないから無理」と諦めなくて大丈夫です。抗がん剤の副作用だけで2級に認定されたこともあります。具体的な対象条件は後述します。
大腸がんで障害年金を受給するといくらもらえる?

障害年金の受給額は等級と加入していた年金の種類で異なります。
大腸がん・人工肛門造設の場合、3級で年額約62万円〜、2級で年額約83万円〜(厚生年金加入者は報酬比例が上乗せされて100万円以上)になることがあります。
等級別に金額の目安を見ていきます。
3級で年額約62万円〜、2級で年額約83万円〜
障害年金の年額は以下のとおりです。
障害基礎年金(国民年金)
| 等級 | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 1級 | 約103万円 | 約8.6万円 |
| 2級 | 約83万円 | 約6.9万円 |
障害厚生年金
| 等級 | 年額 |
|---|---|
| 3級 | 約62万円〜(最低保障額) |
| 2級 | 障害基礎年金2級+報酬比例部分 |
| 1級 | 障害基礎年金1級+報酬比例部分×1.25 |
大腸がんの場合の目安は以下のとおりです。
- 人工肛門造設のみ:3級(年額約62万円〜)
- 人工肛門+尿路変更術または日常生活の著しい制限:2級(年額約83万円〜)
3級は障害厚生年金のみで、障害基礎年金には3級がありません。
そのため、初診日が国民年金加入中(自営業等)の場合、人工肛門造設だけでは受給できないことがあります。
厚生年金加入者は報酬比例部分がさらに上乗せされる
厚生年金加入中に初診日がある場合、障害厚生年金が上乗せされます。
障害厚生年金2級の場合、障害基礎年金2級(831,700円/年)に加えて、報酬比例部分が上乗せされます。
報酬比例部分は現役時代の給与によって変わりますが、年額100万円を超えることも珍しくありません。
たとえば、基礎年金約83万円+報酬比例額30万円=約113万円という計算になります。
被保険者期間が25年(300月)未満でも、計算上は300月あったものとみなされるため、若い方でも一定の金額が保障されます。
子どもや配偶者がいる場合は加算がつく
扶養家族がいると、さらに加算があります。
子の加算(障害基礎年金)
18歳到達年度末までの子(または20歳未満で障害等級1・2級の子)がいる場合に加算されます。
| 子の人数 | 加算額(年額) |
|---|---|
| 1人目・2人目 | 各239,300円 |
| 3人目以降 | 各79,800円 |
配偶者加給年金(障害厚生年金2級以上)
生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる場合、年額239,300円が加算されます。
たとえば、2級受給者で中学生のお子さんが2人いる場合。
基礎年金831,700円+子の加算239,300円×2人=年額1,310,300円
厚生年金に加入されている方で、配偶者と子の加算を合わせると、ご家族の構成やこれまでの給与額によっては、年額150万円近くになることもあります。
【事例】直腸がんで不支給から再申請し年額約83万円を受給

当事務所でサポートした直腸がん(大腸がんの一種)の50代女性のケースです。
複数臓器への転移があり、数回の手術と抗がん剤治療を経験されていました。
自力申請での不支給
令和2年に直腸がんと診断され、大学病院で治療を継続してきましたが、がんは徐々に進行し複数の臓器に転移。
心身ともに疲弊した状態の中、ご主人が代理で障害年金について調べて自力で申請されました。
しかし、結果は不支給。非常にがっかりしたご様子で当事務所にご相談いただきました。
きんかでの再申請サポート
申請時に提出された書類一式を拝見し、問題点を洗い出しました。
不服申立て(審査請求)と新たに2回目の請求をする方法をご説明し、病状が深刻化していることを考慮して、2回目の請求を選択されました。
仕事の休みを利用してヒアリングにご協力いただき、短期間でスムーズに申請できました。
受給決定
診断書の記載内容を見直して再申請した結果、障害基礎年金2級・年額約83万円(子の加算含む)の受給が決定しました。
一度不支給になっても、専門家のサポートで受給につながるケースがあります。
人工肛門・ストーマ造設時の障害等級はどう決まる?

人工肛門造設時の障害等級について見ていきます。
造設から6ヶ月で申請できる特例があり、原則3級ですが、状態によっては2級になることも。
直腸がんでも結腸がんでも認定基準は同じで、がんの部位による違いはありません。
造設から6ヶ月で申請できる(1年6ヶ月待つ必要なし)
通常、障害年金の障害認定日は初診日から1年6ヶ月後です。
しかし、人工肛門造設の場合は「造設日から6ヶ月経過した日」が障害認定日になる特例があります。
この特例は厚生労働省の障害認定基準で明確に定められており、日本年金機構も公式に案内しています。
特例を利用するメリットは大きいです。
本来より約1年早く年金を受給でき、治療中の経済的な負担を軽くできます。
たとえば、術後6ヶ月時点で障害等級に該当すれば、18ヶ月待つ場合と比べて約12ヶ月分多く給付を受けられます。
障害年金を受給するには、初診日要件・保険料納付要件・障害状態要件の3つを満たす必要があります。
人工肛門のみなら原則3級(年額約62万円〜)
人工肛門(ストーマ)を造設すると、原則として障害厚生年金3級に該当します。
厚生労働省の「障害認定基準」では、人工肛門または新膀胱を造設したもの、あるいは尿路変更術を施したものは原則3級と規定されています。
3級は「日常生活にほとんど支障はないが、労働に著しい制限を受ける状態」と定義されています。
人工肛門の場合、ストーマ装具の管理や排泄コントロールの問題で通常勤務が難しくなることが多く、この状態に該当します。
ここで注意したいのは、3級は障害厚生年金のみという点です。
国民年金(障害基礎年金)には3級がありません。
つまり、初診日が厚生年金加入中でなかった場合(自営業や無職期間に初診)、人工肛門造設による3級相当の障害状態になっても障害年金は支給されません。
初診日が会社員(厚生年金加入中)であれば、人工肛門造設で障害厚生年金3級を受給できる可能性が高いです。
人工肛門+尿路変更術があれば2級(年額約83万円〜)
人工肛門に加えて膀胱機能の障害がある場合、等級が2級に引き上げられます。
障害認定基準では、「人工肛門を造設し、かつ新膀胱を造設したもの又は尿路変更術を施したもの」は2級と認定されると規定されています。
また、「人工肛門を造設し、かつ完全排尿障害(常時のカテーテル留置等)があるもの」も2級に該当します。
人工肛門と尿路変更術を両方行っている場合、ストーマが二箇所となり、排泄管理に常時介助や高度な自己管理が必要な生活になります。
大腸がんが膀胱や尿路に浸潤し、両方のストーマを造設したケースなどがこれに該当します。
2級になれば、障害基礎年金2級(年額約83万円)も受給できるため、初診日が国民年金加入中でも受給対象となります。
人工肛門のみでも2級になるケース
人工肛門だけでも、日常生活が著しく制限されていれば2級に認定される可能性があります。
障害等級2級は「日常生活が著しい制限を受けるか、著しい制限を加えることを必要とする状態」と定義されています。
一般状態区分表による評価
診断書には「一般状態区分表」という欄があり、医師が患者の状態をア〜オの5段階で評価します。
2級に認定されるには「ウ」または「エ」の状態に該当することが一つの目安となります。
| 区分 | 状態 |
|---|---|
| ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく発病前と同等にふるまえる |
| イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行・軽労働・座業はできる |
| ウ | 歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできない。日中の50%以上は起居している |
| エ | 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では外出できない |
| オ | 身の回りのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がベッド周辺に限られる |
たとえば、抗がん剤の副作用で倦怠感が強く一日の大半を横になって過ごす場合や、食事や排泄に一部介助が必要な場合は2級となり得ます。
大腸がんの場合、ストーマを造設しなくても、がんの進行や治療により体重が極端に減少して体力が落ちれば2級に認定されることがあります。
ある患者さんは、抗がん剤治療で10kg以上の体重減少と重度の倦怠感が現れ、日常生活に介助が欠かせなくなり、2級相当と判断されました。
医師に一般状態区分を正しく評価してもらうことが欠かせません。
全身の衰弱がポイントとなるので、体重の減少があればきちんと記載してもらってください。
人工肛門がなくても障害年金の対象になるケース

大腸がんで障害年金を受給できるのは、人工肛門を造設した場合だけではありません。
「自分は人工肛門がないから無理」と思っている方も、次のようなケースでは対象になる可能性があります。
抗がん剤の副作用で家事や仕事ができない場合
抗がん剤治療による副作用が日常生活に著しい支障をきたしている場合、障害年金の対象になり得ます。
厚生労働省の認定基準でも、「抗がん剤治療等による副作用(倦怠感、末梢神経障害、貧血、易感染性、嘔吐など)が日常生活に与える影響も評価対象になる」と明記されています。
日本年金機構も、がんによる障害の区分として「治療効果によって起こる全身衰弱・機能障害」を挙げています。
手術などによる外科的後遺症がなくても、治療の副作用で体が弱った状態は評価対象です。
次のような症状が該当します。
- 強度の倦怠感:一日の大半を横になって過ごす
- 継続的な吐き気・嘔吐:食事が満足に取れない
- 食欲不振による栄養障害:著しい体重減少
- 末梢神経障害:手足の痺れ・痛みで箸が持てない、歩行が困難
- 重度の貧血:日常動作で息切れが生じる
- 免疫力低下:外出が困難
たとえば、抗がん剤投与中に慢性的な全身倦怠感と息切れで家事がこなせない、歩行も困難という場合は2級程度に該当しうると考えられます。
副作用による症状を医師に詳しく伝え、診断書に反映してもらうことが欠かせません。
治療中の「見えにくい障害」も正しく評価されるようにしましょう。
なお、人工肛門がある場合、抗がん剤治療が終了しても受給は継続されます。
人工肛門という物理的障害がある限り、障害状態として評価されつづけるためです。
腸閉塞や合併症で外出・就労が困難な場合
大腸がんによる腸閉塞や合併症で日常生活が著しく制限されている場合も、障害年金の対象になります。
次のような症状・状況が該当します。
- 頻繁な腹痛や下痢で外出が困難、トイレから離れられない
- 食事制限が厳しく、栄養状態が悪化して体力が著しく低下
- 腸閉塞を繰り返し、入退院を繰り返している
- 消化管穿孔などの合併症で日常生活に大きな支障
がんの進行度ではなく、「生活への制限の程度」で判断されるのがポイントです。
診断書には生活の困りごとを具体的に伝えてもらう必要があります。
放射線治療の後遺症で日常生活に支障がある場合
直腸がんなどで放射線治療を受けた場合、後遺症で対象になる可能性があります。
後遺症の例としては次のようなものがあります。
- 頻繁な下痢や排便コントロールの困難(放射線性腸炎)
- 膀胱障害(頻尿、排尿困難、血尿など)
- 骨盤内の臓器機能障害
放射線治療終了後も症状がつづき、生活に制限がある場合は対象になります。
複数の後遺症がある場合は、総合的に評価されるため、一つひとつは軽度でも合わせて認定される可能性があります。
申請を通すために押さえておきたい2つのポイント

大腸がんで障害年金の申請を通すために押さえておきたいポイントをお伝えします。
人工肛門・ストーマ特有の日常生活への支障と大腸がん特有の初診日の考え方が特に重要です。
このポイントを押さえることで、年額62万円〜100万円以上の受給につながる可能性があります。
診断書にストーマ管理の具体的な支障を記載してもらう
障害年金の審査は、診断書の記載内容でほぼ決まります。
「障害年金を受給できるかの9割は診断書次第」と言われるほど、診断書の書き方は重要です。
ただ、医師は普段の診療状況から判断するため、患者の日常生活上の困難が十分反映されないことも少なくありません。
そのため、人工肛門・ストーマ特有の日常生活への影響を具体的に医師に伝え、診断書に記載してもらう必要があります。
記載してもらうべきポイント
- 排泄管理の手間と時間:「ストーマ装具の管理に1日何度も要する」「夜間も睡眠中に漏れの不安があり熟睡できない」
- 皮膚トラブル:ストーマ周囲の炎症、かぶれ、痛みなど
- 外出の制限:「下痢や腹痛の頻発で外出が制限されている」「トイレが近くにないと不安」「長時間の外出が困難」
- 就労への支障:立ち仕事ができない、頻繁な休憩が必要
- 食事制限:ガスが溜まりやすい食品を避ける、消化の良いものしか食べられない
- 精神的な苦痛:においへの不安、漏れへの恐怖、人目を気にする
診断書の「現症時の日常生活状況」欄には、入浴や外出、労働などの場面でどんな支障が出ているかを書いてもらうと審査に反映されやすくなります。
記載内容によって3級になるか2級になるかが変わり、受給額に年間20万円以上の差が出ることも。
よくあるミスは、医師が障害年金の細かな基準に不慣れで、「歩行や身の回りはできる」と一言書かれただけで実態より軽く判断されてしまうケースです。
対策として、事前に医師に日常生活の困難を具体的に伝えておいてください。
当事務所では診断書依頼状を作成し、医師に伝えるべきポイントを整理してサポートしています。
大腸がんの初診日は発見の経緯で変わる
初診日とは、「大腸がんのために初めて医療機関を受診した日」です。
大腸がんの場合、発見の経緯によって初診日の考え方が異なります。
大腸がん特有のパターン別初診日
| 発見の経緯 | 初診日 |
|---|---|
| 健康診断・人間ドックで便潜血陽性 | 精密検査(大腸内視鏡検査)を受けた日 |
| 血便・腹痛などの症状で受診 | 症状で初めて受診した日 |
| 大腸ポリープ切除後の経過観察中にがん発見 | ポリープで初めて受診した日になる可能性あり |
| 別の病気(痔など)で受診中に大腸がん発見 | 大腸がんの検査・治療を開始した日 |
初診日によって、厚生年金か国民年金かが決まります。
これは受給額に大きく影響し、3級を受給できるかどうかも初診日次第です。
会社員(厚生年金加入中)として初診日を迎えた場合は障害厚生年金(+基礎年金)が対象となり、自営業や無職で国民年金加入中に初診の場合は障害基礎年金のみが対象です。
人工肛門で3級になっても、初診が国民年金なら給付なしということもあり得ます。
初診日の証明方法
初診日を証明するには、初診医療機関に「受診状況等証明書」を作成してもらう必要があります。
大腸がんで長年経過後に申請する場合、初診病院がカルテを廃棄していることもあります(カルテの保存期間は5年間)。
カルテがない場合は、次に受診した病院で証明書を書いてもらったり、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出して第三者証明など代替資料で初診日を推定してもらう方法があります。
初診日の特定は専門的な判断が必要なので、迷ったらお気軽にご相談ください。
よくある質問
大腸がんで障害年金を申請する際によくいただく質問にお答えします。

Q1:大腸がんと診断されたばかりですが、今から準備できることはありますか?
A:今からできる準備があります。
もっとも大切なのは、初診日の証明書類を保管しておくことです。
次のものを保管しておいてください。
- 診察券、領収書
- 健康診断・人間ドックの結果
- 検査結果(大腸内視鏡検査の報告書など)のコピー
カルテの保存期間は5年間のため、早めに確認しておくと安心です。
今は障害年金を申請できる状態でなくても、将来的に人工肛門造設や抗がん剤治療で申請する可能性があります。
厚生年金加入中(会社員)の今のうちに初診日があれば、将来3級の申請も可能です。
不安な場合は、早めに相談して準備を確認しておくのもよいでしょう。
Q2:人工肛門造設後すぐに申請できますか?6ヶ月待つ必要がありますか?
A:造設後すぐには申請できず、6ヶ月間の経過観察期間が必要です。
人工肛門造設の場合、造設日から6ヶ月経過した日が障害認定日になります。これは人工肛門の状態が安定するまでの期間として法律で定められています。
ただし、6ヶ月経過前でも準備は進められます。
書類収集や初診日の確認などを事前に行っておけば、6ヶ月経過後すぐに申請できます。
また、遡及申請(過去に遡って受給)が可能な場合も。
たとえば、造設から2年経過して申請した場合でも、6ヶ月経過時点に遡って受給できる可能性があります。
早めに相談して、受給のタイミングと必要な準備を確認しておくのがおすすめです。
Q3:予後不良と言われました。遡及請求(さかのぼって請求)はできますか?
A:遡及請求は可能です。
障害認定日(人工肛門造設から6ヶ月後)まで遡って受給できます。
認定日から申請までの期間が長い場合、最大5年分まで遡及して受給可能です。
たとえば、3年前に人工肛門を造設した方が今から申請する場合、3年分の年金をまとめて受け取れる可能性があります。
なお、遡及請求には次の書類が必要です。
- 診断書(障害認定日時点と現在の2通が必要な場合も)
- 初診日の証明
- 病歴・就労状況等申立書
「もう時間がない」と諦めず、すぐにご相談いただくことで道が開ける可能性があります。
Q4:人工肛門を閉鎖(ストーマを閉じる)予定でも障害年金は受給できますか?
A:現時点で人工肛門がある状態なら申請可能です。
障害認定日時点(造設から6ヶ月後)に人工肛門があれば、その時点での状態で審査されます。
ただし、閉鎖後は障害状態が消失するため、年金は停止されます。
閉鎖までの期間が短い場合でも、その期間の受給は可能です。
たとえば、数ヶ月でも年額62万円〜100万円の一部を受給できます。
また、閉鎖後に合併症などで日常生活に支障が残る場合は、障害状態が継続していると評価される可能性もあります。
予定はあくまで予定です。
現状で人工肛門があるなら、申請を検討する価値はあります。
Q5:大腸がんの検査中に受診した日が初診日になりますか?
A:初診日は「大腸がんのために初めて医療機関を受診した日」です。
発見の経緯によって初診日は異なり、健康診断で見つかった場合と症状で受診した場合では、初診日の考え方が異なります。
初診日によって厚生年金か国民年金かが決まり、受給額に大きく影響しますので、判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。
まとめ:大腸がんで障害年金を受給するために
大腸がんで人工肛門を造設した方、抗がん剤治療で日常生活に支障がある方は、障害年金を受給できる可能性があります。
- 人工肛門造設なら原則3級で年額約62万円〜
- 2級認定なら年額約83万円〜(厚生年金加入者は100万円以上になることも)
- 造設から6ヶ月で申請可能(1年6ヶ月待つ必要なし)
- 抗がん剤の副作用だけでも対象になる可能性がある
- 診断書の記載内容が等級と受給額を左右する
診断書に日常生活の支障を具体的に記載してもらうこと、初診日を正しく証明することが、申請を通す上で特に重要です。
当事務所は年金事務所での実務経験10年以上の専門スタッフと弁護士が在籍しており、一度不支給になった方の再申請もサポートしています。
まずは無料相談で、ご自身のケースでいくら受給できるか確認してみませんか。
お電話またはお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。
この記事を書いた人
西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】
【保有資格】特定社会保険労務士 岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。
