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糖尿病で障害年金はもらえる?受給条件と申請のポイントを社労士が解説

糖尿病でインスリン治療を続けているのに血糖値が安定しない。

低血糖発作が心配で、仕事にも支障が出ている。

合併症も進行して、生活が苦しくなってきた……。

そんな状況でも、「糖尿病で障害年金なんてもらえるはずがない」と諦めていませんか?

糖尿病でも、条件を満たせば障害年金を受給できます。

実際に、多くの糖尿病患者の方が障害年金を受給されています。

ただし、「初診日が昔すぎて証明できない」「国民年金だから3級はもらえない」など、糖尿病ならではの課題があることも事実です。

この記事では、糖尿病の方が「自分は対象外」と思い込みがちな誤解を解き、受給のための具体的な条件とポイントを社労士が解説します。

この記事でわかること
  • 糖尿病で障害年金が受給できる根拠
  • 障害厚生年金と障害基礎年金の違い
  • 糖尿病の具体的な認定基準(インスリン治療・合併症)
  • 初診日の証明が困難な場合の具体的な対策
  • 申請前に確認すべき診断書のチェックポイント
この記事を書いた人
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西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                              
岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

結論:糖尿病でも障害年金は受給できます!

糖尿病を患っている方の中には、「自分の病気では障害年金の対象にならないのではないか」と感じている方も多いのではないでしょうか。

けれども、糖尿病であっても、条件を満たせば障害年金を受給できます。

実際に、多くの糖尿病患者の方が障害年金を受給されています。

ここでは、糖尿病が障害年金の対象になる理由と、受給するための基本的な条件について確認していきましょう。

糖尿病は障害年金の認定対象です

障害年金は「病名」ではなく「日常生活や就労への支障の程度」で判断される制度です。

糖尿病は「代謝疾患」として、国の認定基準に明確に含まれています。

特にインスリン治療を継続しても血糖コントロールが困難な場合や、合併症により日常生活に支障がある場合は受給の可能性があるのです。

「糖尿病は生活習慣病だから対象外」「自分の不摂生が原因だから無理」という思い込みは誤解です。

厚生労働省の定める障害認定基準では、必要な治療を行ってもなお血糖コントロールが困難な症状が障害年金の対象とされています。

平成28年6月の基準改正により、合併症のない糖尿病本体でも一定条件下で認定される道が開かれました。

参考:日本年金機構 | 代謝疾患(糖尿病)による障害の認定基準

あなたの病状が要件を満たせば、糖尿病でも障害年金を受給できるのです。

障害基礎年金と障害厚生年金は初診日の加入状況で決まる

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。

どちらを受給できるかは、初診日にどの年金制度に加入していたかで決まります。

  障害基礎年金(国民年金) 障害厚生年金(厚生年金)
加入条件 初診日に国民年金加入 初診日に厚生年金加入
対象者 自営業、専業主婦、学生、無職など 会社員、公務員など
等級 1級・2級のみ(3級なし) 1級・2級・3級

ここで糖尿病の方にとって特に重要なポイントがあります。

糖尿病単独での認定は多くの場合「3級」になります。

しかし、3級は障害厚生年金にしかありません。

つまり、初診日の加入状況が受給可否に直結するのです。

もし初診日が厚生年金加入期間であれば3級の受給が可能ですが、国民年金加入期間の場合は2級以上に該当しないと受給できません。

初診日がいつで、どの年金に加入していたかを確認することが、最初のステップになります。

受給のための3つの要件(初診日・保険料納付・障害状態)

障害年金を受給するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 初診日要件:糖尿病で初めて医師の診察を受けた日が特定できること
  • 保険料納付要件:初診日の前日までに年金保険料を一定以上納めていること
  • 障害状態要件:障害の状態が認定基準に該当していること

この3つのうち、一つでも欠けると受給できません。

保険料納付要件については、加入期間の2/3以上を納付(免除含む)しているか、または直近1年間に未納がないことが条件となります。

特に糖尿病の場合、発症から長い年月が経っていることが多いため、初診日が何十年も前というケースも珍しくありません。

初診日の証明が困難なケースや、初診日時点での年金加入状況(国民年金か厚生年金か)によって、受給の可否や等級が大きく変わってきます。

糖尿病の障害認定基準:どんな状態なら受給できる?

糖尿病における障害認定基準は、大きく分けて「糖尿病単独(インスリン治療でのコントロール困難)」と「合併症による障害」の2つがあります。

3級:インスリン治療でも血糖コントロールが困難な場合

糖尿病単独での障害年金は、多くの場合「3級(障害厚生年金のみ)」に認定されます。

必要なインスリン治療を継続していても、なお血糖コントロールが困難な場合が対象です。

具体的には、

  • インスリン治療を90日以上継続している
  • HbA1cが高値のまま推移している
  • 低血糖発作が頻繁に起こる
  • ケトアシドーシスによる入院歴がある

といった状態です。

ただし、3級は「労働に著しい制限がある」状態が対象で、単にインスリン治療をしているだけでは認定されません。

低血糖発作を避けるために仕事中に頻繁に間食が必要だったり、業務に制限が出る場合などが該当します。

※3級は障害厚生年金のみ。国民年金のみの方は合併症による2級以上が対象です。

2級以上:合併症の程度による(国民年金加入者も対象)

糖尿病の合併症がある場合は、合併症の状態に応じて障害等級が判定されることになります。

主な合併症と認定基準は以下の通りです。

  • 糖尿病性腎症:人工透析療法を行っている場合、原則として2級に認定
  • 糖尿病性網膜症:両眼の視力が0.07以下で2級、0.1以下で3級
  • 糖尿病性神経障害:下肢の壊疽による切断など重度の場合は2級
  • 糖尿病性心疾患:心臓のポンプ機能低下により3級に認定される場合あり

合併症がある場合、糖尿病単独の基準(3級・厚生年金のみ)ではなく、合併症ごとの基準で判定されます。

そのため、国民年金加入者でも2級以上の受給が可能になるのです。

「自分は国民年金だから無理」と諦めていた方にも希望があります。

等級ごとの受給金額の目安

等級 状態 障害基礎年金 障害厚生年金
1級 常時介助が必要な状態 年額約103万円 (月額約8.6万円) 報酬比例×1.25 +基礎年金
2級 日常生活に著しい制限 年額約83万円 (月額約6.9万円) 報酬比例 +基礎年金
3級 労働に著しい制限 なし 報酬比例 (最低保障:年額約62万円)

厚生年金加入時の給与額と加入期間によって金額が変わります。

平均月給30万円で20年間厚生年金に加入していた場合、3級でも最低保障額を上回るケースが多くみられます。

ただし、障害厚生年金はいずれも報酬比例のため個人差が大きく、具体的な金額は加入期間や報酬の推移によって異なります。

社会保険労務士法人きんかでは、無料相談であなたの受給可能性を一緒に確認できます。

糖尿病の初診日を証明するには?困難な理由と対処法

ただし、初診日が証明できないと受給できません。

初診日によって、どの年金制度に加入していたか(国民年金 or 厚生年金)、保険料納付要件を満たしているか、障害認定日はいつかが決まるため、初診日の特定は非常に重要です。

糖尿病の初診日証明が困難な理由

糖尿病は慢性疾患で、初診日が何十年も前というケースが珍しくありません。

カルテが破棄されていたり、病院が閉院していたりして、証明が困難な場合があります。

さらに、糖尿病の場合は「健康診断で指摘されただけで受診しなかった」「自覚症状がなく放置していた」といったケースも多く、正確な初診日の特定が難しいという特有の事情があります。

代替資料での対処法

基本は初診日の医療機関に「受診状況等証明書」を作成してもらいますが、カルテの保存期間(5年)を過ぎている場合、以下のような代替資料を収集して初診日を証明します。

  • 診察券(日付の記載があるもの)
  • お薬手帳(初期の処方記録)
  • 健康診断の結果(糖尿病の指摘がある最古の記録)
  • 領収書・レシート(日付と医療機関名が分かるもの)
  • 第三者証明(家族や職場の上司などによる証言)
  • 糖尿病手帳・自己管理ノート

1つの資料では弱くても、複数の資料を組み合わせることで初診日を特定できる場合があります。

社会保険労務士法人きんかでは、初診日証明が困難なケースでも、どのような資料が使えるかをアドバイスし、実際に証明書の取得を代行します。

カルテが破棄されているケースや病院が閉院しているケースでも、受給決定に導いた実績が多数あります。

申請時に確認すべきポイント

初診日の証明ができたら、次は申請書類の準備です。

糖尿病の障害年金申請では、特に診断書の内容が審査結果を大きく左右します。

ここでは、申請時に押さえておきたい重要なポイントを解説します。

1. 診断書に日常生活への支障の記載があるか

障害年金の審査では、医師が作成する診断書が最も重視されます。

診断書には、血糖値やHbA1c値などの検査データだけでなく、「日常生活にどのような支障があるか」を具体的に記載する必要があります。

診断書を依頼する際は、「低血糖発作が週に○回ある」「体調の波が激しく、安定して働けない」など、具体的な状況を医師に伝えてください。

社会保険労務士法人きんかでは、診断書の依頼状を作成し、医師に記載してほしいポイントを明確に伝えます。

診断書を受け取った後に内容をチェックし、必要に応じて追記や修正を医師に依頼することも可能です。

2. 合併症がある場合は専門科の診断書も準備する

合併症がある場合は、糖尿病の診断書(内科)だけでなく、合併症ごとの専門科の診断書も準備してください。

糖尿病の診断書だけでは合併症の詳細な状態が正確に評価されず、本来受給できるはずの等級が認定されなかったり、不支給になるリスクがあるためです。

具体的には、以下のような専門科の診断書が必要です。

  • 糖尿病性腎症 → 腎臓内科の診断書
  • 糖尿病性網膜症 → 眼科の診断書
  • 糖尿病性神経障害 → 整形外科・形成外科の診断書
  • 糖尿病性心疾患 → 循環器科の診断書

合併症があるのに糖尿病単独として申請すると不支給になるケースがあります。どの診断書が必要かは、専門家に相談して事前に確認しましょう。

糖尿病の障害年金でよくある質問

これまでの内容で、糖尿病の障害年金について基本的なことは理解していただけたかと思います。

ここでは、実際に申請を考え始めたときに多くの方が抱く疑問にお答えします。

あなたの不安を少しでも解消できれば幸いです。

Q1:インスリン治療をしていれば障害年金の対象になりますか?

A:インスリン治療をしているだけでは対象になりません。

障害年金は「治療を受けている」ことではなく、「治療を継続してもなお血糖コントロールが困難で、日常生活や就労に支障がある」状態かどうかで判断されます。

インスリン治療を一定期間継続していても、HbA1cが高値のまま推移している、低血糖発作が頻繁に起こる、ケトアシドーシスによる入院歴があるといった状態であれば、障害年金の対象となる可能性があります。

Q2:低血糖発作がある場合、障害年金の認定に影響しますか?

A:はい、大きく影響します。

低血糖発作の頻度や重症度は、血糖コントロールが困難であることを示す重要な指標です。

特に週に数回の低血糖発作が起こる場合や、月に1回以上意識を失うような重症低血糖がある場合は、認定において重要な判断材料になります。

低血糖発作により業務内容が制限される(力仕事や高所作業は不可、運転禁止など)場合や、日常生活に支障がある場合は、診断書にその具体的な状況を記載してもらうことが重要です。

Q3:合併症がなくても、糖尿病で障害年金はもらえますか?

A:はい、もらえる可能性があります。

平成28年6月の基準改正により、合併症のない糖尿病本体でも、インスリン治療を継続してもなお血糖コントロールが困難な場合は、障害年金の対象になりました。

ただし、この場合は、認定されるとすれば原則として「3級(障害厚生年金のみ)」となるケースが多いです。

そのため、初診日の時点で国民年金のみに加入していた方は、糖尿病単独では3級の対象とはなりません。

もっとも、日常生活に著しい制限がある場合は、2級として認定される可能性があります。

初診日に厚生年金に加入していたかどうかが重要なポイントになります。

Q4:1型糖尿病と2型糖尿病で、認定の有利・不利はありますか?

A:いいえ、認定基準は1型でも2型でも同じです。

どちらの型でも「血糖コントロールが困難」または「合併症がある」という状態であれば、受給の可能性があります。

型による有利・不利はありません。

ただし、1型糖尿病は若年で発症することが多いため、初診日が20歳前の場合は「20歳前傷病による障害基礎年金」の対象となります(保険料納付要件は不要ですが、所得制限があります)。

Q5:糖尿病は発症から長い年月が経っていますが、今からでも申請できますか?

A:はい、申請できます。

糖尿病は発症から長い年月が経っていることが多い病気ですが、現在の状態が認定基準を満たせば申請可能です。

ただし、初診日(糖尿病で初めて医師の診察を受けた日)の証明が必要になります。

初診日が何十年も前の場合、カルテが破棄されているケースが多いため、お薬手帳、健康診断記録、診察券などの代替資料を収集して初診日を証明します。

また、障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)が65歳になる前であれば、65歳以降でも遡及請求できる可能性があります。

「今さら遅い」と諦めず、まずは専門家に相談することをおすすめします。

糖尿病の障害年金受給へ、一歩踏み出しませんか

ここまで、糖尿病で障害年金を受給するための条件や申請時の重要ポイントについて解説してきました。

改めて、この記事の要点をまとめます。

この記事のポイント
  • 糖尿病もインスリン治療でのコントロール困難や合併症があれば受給対象
  • 3級は厚生年金のみだが国民年金でも合併症があれば2級で受給可能
  • 初診日証明が困難でも代替資料で対応できる可能性がある
  • 診断書に日常生活への支障の記載があるかが重要
  • 合併症がある場合は専門科の診断書も必要

糖尿病で血糖管理の大変さや経済的な不安を抱えている方へ。

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この記事を書いた人
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西田 真琴【社会保険労務士法人きんか代表】

【保有資格】特定社会保険労務士                               岐阜県で長年の企業労務経験と傾聴力を活かし、病気や障害を抱える方の不安に寄り添います。お話を親身に伺い、ご希望に沿った最善の道筋を一緒に見つけます。

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